犬の不思議な行動10選：その理由と対策を解説！

愛犬が見せる不思議な行動に、多くの飼い主が疑問や心配を抱いています。ベネッセの調査によると、約8割の飼い主が愛犬の行動を見て「フシギだな」「どうしたの？」と感じた経験があるそうです。

犬がしっぽを振る理由とその意味

犬のしっぽは単なる装飾ではなく、多様な役割を果たす重要な器官です。以下に、犬がしっぽを振る理由とその意味について詳しく説明します。

感情表現：しっぽは犬の気持ちを伝える主要なコミュニケーションツールです。
- 喜びや友好的な気持ち：家族の帰宅時や食事時に大きく速く振ります。
- 警戒や緊張：見知らぬ人や犬に遭遇した際、しっぽを高く上げて静止させます。
- 不安や恐怖：しっぽを下げたり、足の間に巻き込んだりします。
バランス調整：走行中や急旋回時に体のバランスを取るのに役立ちます。
- 特に運動能力の高い犬種（グレーハウンドやボルゾイなど）は、長いしっぽを使って急激なターンを可能にします。
- 水泳時には舵のような役割を果たし、泳ぐ方向を定めます。
体温調節：寒い環境での保温に役立ちます。
- 犬は寒さを感じると体を丸め、しっぽを体に巻きつけます。
- しっぽの下に鼻を入れることで、冷たい空気の吸入を防ぎます。
しっぽの位置と振り方の意味：
- 高い位置での振り：自信や興奮を示します。
- 低い位置での振り：自信のなさや服従を表します。
- 左右の振り方：2013年の研究によると、右に振る場合は友好的、左に振る場合は警戒している可能性があります。
健康状態の指標：
- 通常より下がったしっぽは、体調不良のサインかもしれません。

犬のしっぽの振り方や位置を注意深く観察することで、愛犬の感情や健康状態をより良く理解し、適切なケアやコミュニケーションを取ることができます。

犬が吠える理由とその対策

犬が吠える理由は様々で、その行動には常に意味があります。以下に、犬が吠える主な理由とそれぞれの対策をまとめました。

要求・自己主張
- 理由：飼い主の注目を引きたい、散歩やおやつを要求している
- 対策：吠えに反応せず、静かになったら褒める。要求を無視し、落ち着いたときに応じる
不安・寂しさ
- 理由：分離不安や孤独感からストレスを感じている
- 対策：十分な運動と遊びの時間を確保し、コミュニケーションを増やす
警戒・縄張り意識
- 理由：見知らぬ人や動物、音に対する警戒心
- 対策：様々な環境や状況に慣れさせる。吠えずに静かにできたら褒める
興奮
- 理由：遊びたい気持ちや他の犬との交流への興奮
- 対策：落ち着くまで無視し、静かになったら褒める。適度な運動で発散させる
ストレス
- 理由：運動不足やストレスの蓄積
- 対策：十分な運動と精神的刺激を与える。ストレス要因を特定し除去する
条件反射
- 理由：特定の音や状況に対する学習された反応
- 対策：刺激に慣れさせる。好ましい行動を強化し、吠えない状態を褒める

注意点：
- 叱ることは逆効果になる場合が多いので避ける
- 犬種によって吠えやすさが異なるため、個体に合わせた対策が必要
- 原因を正確に把握し、適切な対策を選択することが重要

犬の吠えは意思表示の一つであり、完全に止めさせることは難しいですが、適切なしつけと環境調整により、不要な吠えを軽減することができます。

犬が穴を掘る行動の意味

犬が穴を掘る行動には様々な理由があります。以下に、犬が穴を掘る主な理由とその意味をまとめました。

本能的な巣穴作り
- 野生時代の名残で、安全な寝床を作る習性がある
- 寝る前にホリホリしてクルクル回る動作はこの本能の表れ
ハンティング本能
- 特にテリアやダックスなどの狩猟犬種に多く見られる
- 土の中の小動物や食べ物のにおいに反応して掘り始める
ストレス発散
- 運動不足や環境の変化によるストレスを発散させる手段
- 執拗に穴掘りを繰り返す場合は要注意
リラックス行動
- 食事後や散歩後など、満足した時にリラックスのために掘る
- 一種のルーティン行動になっていることもある
遊び・楽しみ
- 穴掘り自体を楽しんでいる場合がある
- 同居犬の影響で習慣化することもある
涼を求める行動
- 暑い時期に涼しい場所を作るために掘ることがある

対処方法：

穴掘りを許可する場所を決める
十分な運動と精神的刺激を与える
ストレス要因を特定し除去する
穴掘り以外に関心を向けさせる
本能を刺激する遊びを取り入れる

穴掘りは犬の自然な行動であるため、完全に止めさせるのではなく、適切に管理することが大切です。

犬が物を咥えて走る理由

犬が物を咥えて走る行動には、いくつかの心理的・本能的な理由があります。以下に、主な理由とその説明をまとめました。

狩猟本能の表れ
- 野生時代の獲物を運ぶ行動の名残
- おもちゃを「獲物」に見立てて走り回る
注目を集めたい
- 飼い主の関心を引きたい時に見られる行動
- 遊んでほしい、かまってほしいというサイン
所有欲の表現
- 大切なものを守りたい、独占したいという気持ちの表れ
- 特に他の犬や人がいる場合に顕著
隠し場所を探している
- おもちゃや食べ物を安全な場所に隠そうとする本能
- 部屋をウロウロしながら適切な隠し場所を探す
遊びの誘い
- 飼い主や他の犬に「一緒に遊ぼう」というメッセージ
- 追いかけっこを期待している場合もある
ストレス発散
- 運動不足やストレスがたまっている時の発散行動
- 過度に繰り返す場合は要注意

この行動は多くの場合、犬にとって自然で健康的な表現です。ただし、過度な執着や強迫的な行動が見られる場合は、ストレスや不安の兆候である可能性があるため、注意が必要です

犬がくるくる回る行動の意味

犬がくるくる回る行動には様々な理由があります。以下に、主な理由とその意味をまとめました。

排泄前や寝る前の安全確認
- 周囲の安全を確認する本能的な行動
- 排泄場所のにおいを確認している可能性もある
寝床を整える行動
- 野生時代の巣作りの名残
- 寝る前にクルクル回って寝床を整えようとする
興奮や喜びの表現
- 飼い主の帰宅時やごはんの前などに見られる
- 犬同士の遊びの誘いにもなる
磁場との関係
- 2014年のイグ・ノーベル賞受賞研究によると、犬は排泄時に体を南北に向ける傾向がある
- 磁場を感じて方向を定めている可能性がある
しっぽを追いかける行動（テイルチェイシング）
- 子犬の遊びや好奇心から始まることが多い
- 成犬の場合、ストレスや体の不調のサインの可能性もある
ストレスや運動不足の表れ
- 過剰にくるくる回る場合、ストレスや運動不足が原因の可能性がある
病気の可能性
- 常同行動（同じ行動を繰り返す）として現れる場合、健康上の問題がある可能性がある

くるくる回る行動は多くの場合自然な行動ですが、過度に繰り返す場合や急に始まった場合は、ストレスや健康上の問題がないか注意が必要です。

犬が尻を地面にこすりつける理由

犬が尻を地面にこすりつける行動は、「スクーティング」と呼ばれ、多くの場合、不快感や違和感を示すサインです。以下に、この行動の主な理由をまとめました。

肛門嚢の問題
- 肛門嚢に分泌物が溜まり、違和感や不快感を感じている
- 小型犬や老犬に多く見られる傾向がある
皮膚のかゆみや炎症
- アレルギーや皮膚炎による肛門周辺のかゆみ
- トリミング後の刺激によるかゆみ
寄生虫の存在
- 瓜実条虫などの寄生虫による不快感
- 寄生虫の片節が肛門周辺に付着することでかゆみが生じる
肛門周辺の違和感
- 排便後の残留物による不快感
- 肛門腺絞り後の一時的な違和感
ストレスや不安
- 環境の変化やストレスによる異常行動の一つ
前立腺の問題（オスの場合）
- 前立腺肥大などによる不快感

対処方法：

獣医師による診察を受ける
肛門嚢の定期的なケア
寄生虫の駆除と予防
アレルギーの原因特定と対策
ストレス要因の除去と環境改善

この行動が頻繁に見られたり、長期間続く場合は、獣医師による診察が必要です。早期発見・早期治療が重要となります。

犬が人の顔を舐める理由

犬が人の顔を舐める行動には、様々な理由や意味があります。以下に、主な理由とその説明をまとめました。

愛情や信頼の表現
- 犬の本能的な愛情表現の一つ
- 飼い主との絆を深めるためのコミュニケーション手段
母性本能の発露
- 母犬が子犬を舐める行動の延長線上にある
- 飼い主を母親のように認識している可能性がある
食べ物のにおいに反応
- 飼い主の顔や口周りの匂いに興味を示している
- 最後に食べた物を共有したいという欲求
服従や謝罪の意思表示
- 群れのリーダーに対する服従の表現
- 何か悪いことをした後の謝罪の意味合い
注目を集めたい
- 遊びたい、かまってほしいという要求
- 飼い主の気を引こうとしている
ストレスや不安の軽減
- 不安やストレスを和らげるための行動
- 飼い主とのスキンシップで安心感を得ようとしている
本能的な挨拶行動
- 野生の犬や狼にも見られる群れの中での挨拶行動

注意点：

過剰に顔を舐められることは衛生面でリスクがある
人獣共通感染症の原因となる菌が犬の口腔内に存在する可能性がある
特に免疫力の低い人や小さな子ども、高齢者は注意が必要

対処方法：

舐められないように立ち上がるか、その場を離れる
舐めそうになったら気を逸らす
舐められた場所はしっかり洗う

犬が顔を舐める行動は多くの場合愛情表現ですが、衛生面を考慮して適切に対応することが大切です。

犬が吠えながら夢を見る理由

犬が睡眠中に吠えたり体を動かしたりする行動は、多くの飼い主にとって興味深い現象です。この行動には科学的な根拠があり、犬の睡眠サイクルや脳の活動と密接に関連しています。以下に、犬が吠えながら夢を見る理由とその特徴をまとめました。

犬の睡眠サイクル
- 人間と同様にレム睡眠とノンレム睡眠がある
- 犬は人間よりもレム睡眠の割合が多い
- レム睡眠中に夢を見る可能性が高い
夢を見ている可能性の高い行動
- 寝言のような吠え声を出す
- 足をバタバタと動かす
- 目や口を動かす
- 体を小刻みに震わせる
夢の内容
- その日の出来事や記憶を整理している可能性
- 走ったり遊んだりしている夢を見ている可能性
- 刺激の多い日ほど夢を見やすい傾向がある
科学的な見解
- 犬が夢を見ることは科学的に完全に証明されていない
- しかし、脳の活動パターンから夢を見ている可能性が高いと考えられている
飼い主の対応
- 寝言や体の動きが見られても起こさないのが望ましい
- 睡眠は脳の疲れを回復させる重要な時間
- 十分な睡眠時間と快適な睡眠環境を確保することが大切
注意が必要な場合
- 苦しそうな声や異常な動きが見られる場合は要注意
- 呼吸器系や脳の病気の可能性もあるため、獣医師に相談すべき

犬の夢見行動は、多くの場合健康的で自然な現象です。この行動を観察することで、愛犬の日々の体験や感情をより深く理解できる可能性があります。

犬が自分の影を追いかける理由

犬が自分の影を追いかける行動は、多くの飼い主を驚かせたり楽しませたりする興味深い現象です。この行動には様々な理由があり、犬の心理状態や環境と密接に関連しています。以下に、犬が自分の影を追いかける主な理由をまとめました。

好奇心と遊び心
- 犬の持つ自然な好奇心から、動く影に興味を示す
- 影を追いかけることが楽しい遊びになっている可能性がある
狩猟本能の発現
- 動く影を獲物と勘違いし、追いかける本能が働く
- 特に狩猟犬種に多く見られる傾向がある
ストレスや運動不足の表れ
- 十分な運動や精神的刺激が不足している場合に見られる
- ストレス発散の一種として影を追いかける
注目を集めたい欲求
- 飼い主の関心を引きたい時に見られる行動
- 影を追いかけることで飼い主の反応を期待している
強迫的な行動の可能性
- 過度に影を追いかける場合、強迫性障害の兆候かもしれない
- 特定の状況や時間帯に繰り返し見られる場合は注意が必要
視覚的な混乱
- 影の動きを正確に認識できず、混乱している可能性がある
- 特に薄暗い環境や光の変化が激しい場所で起こりやすい

対処方法：

十分な運動と精神的刺激を与える
影を追いかける行動を無視し、別の行動に誘導する
適切な遊びや訓練で犬の注意をそらす
過度な行動が続く場合は獣医師に相談する

犬が自分の影を追いかける行動は多くの場合無害ですが、過剰になる場合は underlying の問題がある可能性があります。適切な運動と精神的刺激を提供し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。

犬が何かをじっと見つめる理由

犬が何かをじっと見つめる行動には、様々な理由があります。以下に、主な理由とその説明をまとめました。

愛情や信頼の表現
- 穏やかな表情や笑顔のような表情で見つめる場合は、飼い主への愛情や信頼を示している
- 目を細めながら見つめるのは、愛情や信頼の表現
要求やおねだり
- キラキラとした目や上目遣いで見つめる場合は、何かを要求している
- 「遊びたい」「ごはんがほしい」「お散歩に行きたい」などの欲求を表現
飼い主の観察
- 飼い主の次の行動を予測するために観察している
- 「どこかに行くのかな？」「何かくれるのかな？」と考えている可能性がある
コミュニケーションの一種
- 犬は人間とアイコンタクトでコミュニケーションを図る特徴がある
- 目の表情を使って自分の感情や心境を表現している
緊張や不安の表現
- 叱られた後や身体に痛みを感じるときに見つめることがある
- 拒否反応として飼い主を見つめる場合もある
警戒心の表れ
- 見知らぬ人や動物、音に対する警戒心から見つめることがある
オキシトシン分泌の促進
- 犬と飼い主が見つめ合うことで、お互いにオキシトシン（愛情ホルモン）が分泌される
- これにより絆が深まり、安心感や癒し効果が得られる